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おすすめの本

生殖技術と親になることー不妊治療と出生前診断がもたらす葛藤

柘植あづみ

みすず書房

2022

生殖技術の発展によって出てきている新たな課題、出生前検査や「出自を知る権利」、代理母の問題について、現在の状況が整理された一冊。今後ますます技術は発展していくと思われるが、果たして社会はそれについて腰を据えて議論してきたのか、考えさせられる。今後のリプロを考えていくうえでも必読の一冊。(かんな)

福音と世界 2020年3月号 特集リプロダクティブ・ヘルス&ライツ

?

新教出版社

2020

国内外の中絶事情だけでなく、中絶を障害や宗教的な側面からとらえようとする試みなど、意欲的なラインアップ。#もっと安全な中絶をプロジェクトメンバーも執筆。(塚原)

戦後日本を読みかえる4 ジェンダーと生政治

坪井秀人編著

臨川書店

2019

第2章 引揚者医療救護における組織的人工妊娠中絶――優生保護法前史・・・・・松原洋子
第3章 生殖管理の戦後――優生保護法成立前の中絶と主体をめぐって・・・・・柘植あづみ
第4章 リブと依存の思想――中絶・子殺し・育てること・・・・・飯田祐子

〈妊婦〉アート論 孕む身体を奪取する

山崎明子/藤木直実 編著
菅実花、小林美香、吉良智子、池川玲子、池田忍、香川檀

青弓社

2018

妊婦という表象がどのようにとらえられ、またどのようなイメージを提供してきたのか分析するアート評論の一冊。マタニティヌードや女児用の人形など様々な視点からの分析があり、写真なども多いので手軽におもしろく読める。(かんな)

日本のフェミニズム 性の戦い編 

北原みのり責任編集

河出書房新社

2017

廃娼運動、売春防止法、リプロをめぐる運動の歴史をたどる。フェミニズムと図鑑では明治時代から70年代リブの女たちを紹介している。「リプロ運動」(谷口真由美)、「避妊や中絶をめぐるタイムトンネル」(大橋由香子)など。(大橋)

文科省/高校「妊活」教材の嘘

西山千恵子、柘植あづみ 編著

論創社

2017

高校生の教科書副読本に、誤ったグラフが掲載された問題への抗議活動から生まれた本。「人口政策の連続と非連続—リプロダクティブ・ヘルス/ライツの不在」(大橋由香子)では、避妊・中絶が軽視されてきた歴史が描かれている。(大橋)

産み育てと助産の歴史:近代化の200年をふり返る

白井千晶 編著

医学書院

2016

助産の視点から、江戸末期から平成までの出産に関わる女性たちのこれまでをまとめている。トリアゲ婆、産婆、助産婦、助産師と様々な名前で呼ばれながら、助産に関わってきた200年を歴史を、様々な専門家が執筆しながらまとめた一冊。(かんな)

佐々木静子からあなたへ 女のからだと医療・性暴力・人権

佐々木静子著・編集委員会編

教育史料出版会

2015

健康な女性から必要のない治療として子宮の摘出を行うなど、女性の子宮が利潤追求のために利用された富士見産婦人科病院事件で、患者側に立って弁護した産婦人科医・佐々木静子さんの書いたものを集めた書。医療における家父長的なあり方に異議をとなえ、地球と子宮にやさしい女性のための医療を追求したドクターの奇跡的な軌跡。(大橋)

学生のためのピース・ノート2

堀芳枝編著

コモンズ

2015

第9章「産むか・産まないか—からだと健康をめぐる女性の運動」(大橋由香子)で、「女と健康国際会議」など国際的な動きと日本の女性運動の関わりを紹介している。(かんな)

女のからだ フェミニズム以後

荻野美穂

岩波新書

2014

アメリカと日本を中心に、女の健康運動の歴史を概観。アメリカでの中絶非合法の時代に、女たちが中絶技術を伝え助け合った経緯なども興味深い。(大橋)

中絶技術とリプロダクティヴ・ライツ: フェミニスト倫理の視点から

塚原久美

勁草書房

2014

日本人の考える「中絶」と諸外国で考えられている「アボーション」は別物であることを明らかにし、日本のスティグマまみれの現状と海外のリプロダクティヴ・ヘルス&ライツを対比させることで、中絶の倫理のありようを模索した本。(塚原)

透明なゆりかご
産婦人科医院 看護師見習い日記

沖田×華(おきたばっか)

講談社

2013年12月7日~2021年2月25日(全9巻)

作者が学生の頃に経験した産婦人科での出来事を基にした漫画。
中絶だけでなく、妊娠や性暴力、虐待などのついても描かれている。(長沖)

自己決定権とジェンダー

江原由美子

岩波新書

2012

中絶・生殖技術で議論になる女のからだへの自己決定権を日本のフェミニストの立場から分析した数少ない本(長沖)

中絶論争とアメリカ社会-身体をめぐる戦争

荻野美穂

岩波新書

2012

USAでは中絶の合法化は勝ちとれた一方で、憲法に男女平等を明記させる闘いに敗れたという事実に驚く。(長沖)

妊娠ーあなたの妊娠と出生前検査の経験をおしえてください

柘植あづみ、菅野摂子、石黒眞里

洛北出版

2009

375人の女性にアンケートした結果と、26人の女性にインタビューした結果を元に、いまの日本で妊娠するとはどんな経験なのかを丁寧に描いた一冊。妊娠の経験だけでなく、なかなか人には話しづらい出生前検査の経験についても書かれている。(かんな)

妊娠を考える〈からだ〉をめぐるポリティクス

柘植あづみ

NTT出版

2010

避妊技術が一方では人口抑制政策として、国家に利用されてきたということが指摘されている。生殖技術についても書かれており、女性の自己決定権としてとらえてもいくべきなのか、考えさせられる。聞き取り調査で得られた実際の当事者の声も知ることができ、平易で読みやすい一冊。(かんな)

新編 日本のフェミニズム5「母性」

編集委員:天野正子、伊藤公雄、伊藤るり、井上輝子、上野千鶴子、江原由美子、大沢真理、加納実紀代
編集協力:斎藤美奈子 解説:江原由美子

岩波書店

2009

1982年の女性運動の様子をパッチワークした文章、大橋由香子「産む・産まないは女(私)がきめる−優生保護法改悪反対運動から見えたもの」(初出は『講座女性学3 女が変える』勁草書房)の一部分も収録されている。(大橋)

中絶と避妊の政治学-戦後日本のリプロダクション政策

ティアナ・ノーグレン著 岩本美砂子監訳 塚原久美・日比野由利・猪瀬優理訳

青木書店

2008

なぜ日本は避妊より中絶が先だったのか。西欧社会とは逆だった日本のリプロの政治学を読み解く必読書。若い女性のアメリカ人政治学者に、日本の専門家の男たちが日本女性には決して言わない本音や裏話を全開。(塚原)
なぜ、日本では女のからだは尊重されないのか。リプロを取り巻く医師、製薬会社、政治家たちの実態を明らかにする本。(長沖)

「家族計画」への道ー近代日本の生殖をめぐる政治

荻野美穂

岩波新書

2008

「家族計画」施策について詳しく知ることができる1冊。国家がどのように生殖をコントロールしようとし、運動の側がそれにどのように呼応したのかわかりやすくまとめられている。ピルの導入がなぜ遅れたのか、なぜコンドームによる避妊に頼ってきたのか、歴史がわかります。(かんな)

立場を守る(『しみじみ読むアメリカ文学』所収)

アシュラ・K・ル・グイン

松柏社

2007

アメリカでは1973年に中絶が合法化されたが、中絶反対派の妨害は執拗で根強い。その中で中絶を受けに行く体験について描いた短編小説。冒頭の女性二人がどんな関係にあるのかは、次第にわかってくる。(片山)

世界文学のなかの「舞姫」

西成彦

みすず 書房

2007

森鴎外の「舞姫」は、高校の教科書に取り上げられてよく知られている妊娠小説の元祖。太田豊太郎の振る舞いはいかにも横暴だが・・・別の読み方を誘う。

水子-<中絶>をめぐる日本文化の底流

ウイリアム・ラフルーア

青木書店

2006

宗教学者が「水子供養」を日本人の知恵として高く評価し、水子供養研究の端緒となった本。筆者はこの本で水子供養を日本仏教の中に位置付けて正当化したが、後にヘレン・ハーデカーからフェミニストの視点で批判された。(塚原)

女性の身体と人権 性的自己決定権への歩み

若尾典子

学陽書房

2005

女の暮らしに影響を与える中絶。出産できない状況があるとき、堕胎罪におびえながら、生命の危険も覚悟しながら、女性たちは闇堕胎を選択した。日本にもこんな過去があったことをリアルとフィクションを行きつ戻りつしながら描いている。公娼制から援助交際まで時代的な視野も広い。(塚原)

<恋愛結婚>は何をもたらしたか-性道徳と優生思想の百年間

加藤秀一

ちくま新書

2004

明治以降、国内では恋愛結婚と優生思想がセットになって導入され、定着したということが説明されている。「自己決定」の意味を考える時に必読。(長沖)

女も男も 137号

​?

労働教育センター

2004

明治以降、国内では恋愛結婚と優生思想がセットになって導入され、定着したということが説明されている。「自己決定」の意味を考える時に必読。(長沖)

産む産まないは女の権利か―フェミニズムとリベラリズム

山根純佳

勁草書房

2004

癒しのカウンセリング――中絶からの心の回復

キャンダス・デュ・ピュイ、デイナ・ドヴィチ(片山亜紀訳)

平凡社

2003

中絶を経験した当事者に薦めたい素晴らしい本です!手に入れづらいのが残念で、ぜひ再版してほしいと思っています。(塚原)

リプロダクティブヘルス グローバルな視点から性の健康をみつめる

我妻堯

南江堂

2002

性と生殖に関する国内外の幅広い情報を網羅。日本にピルが広まらなかった背景に国家としての政策(受胎調節実地指導員の熱心な家族計画運動)があったとする説は必見。(塚原)

母体保護法と私たち 中絶・多胎減数・不妊手術をめぐる制度と社会

齋藤有紀子編著

明石書店

2002

この時点での日本の中絶問題を集大成した本。#もっと安全なプロジェクトメンバーも数多く参加している。(塚原)

女のからだ わたしたち自身 避妊・中絶・セーフsex

森冬美&からだのおしゃべり会

毎日新聞社

1998

「おしゃべり」と称した小エッセー集だが、帯に「あなたが困ったとき、本当に役立つリアルな情報を満載」とある通りの内容。(塚原)

水子供養 商品としての儀式 近代日本のジェンダー/セクシュアリティと宗教

ヘレン・ハーデカー著 塚原久美監訳 清水邦彦監修 猪瀬優理・前川健一訳

明石書店

2017

女を「胎児の母」と決めつけ、許しがたい「子殺し」を行ったと断罪する胎児中心主義により、女性搾取的な水子供養ビジネスが展開されたことを描いたフェミニスト宗教学者の本。(塚原)

増補新装版 優生保護法が犯した罪-子どもをもつことを奪われた人々の証言

優生手術に対する謝罪を求める会編

現代書館

初版2003、新装増補版2018

中絶を合法化した優生保護法のもう一つの側面を知る(長沖)

母性愛という制度 子殺しと中絶のポリティクス

田間康子

勁草書房

2001

1970年代以降、子殺しと中絶がどのようにとらえられてきたのか、その人々の意識の変化の経緯を新聞記事の分析等を用いてクリアに描いている。(塚原)

新版 さらば、悲しみの性 高校生の性を考える

河野美代子

集英社文庫

1999

「もっと自分の体を知り、もっと自分の体を大切に!」豊かな性の確立をめざす中高生への熱いメッセージ。(塚原)

性幻想を語る

近藤和子編

三一書房

1998

近代を読みかえるシリーズ第2巻。「女のからだへの国家管理と優生思想ー堕胎罪・優生保護法への対抗論理を求めて」(大橋由香子)ほか、性暴力やポルノグラフィーに関する論考を集めている。(大橋)

もう患者でいるのはよそう フェミニスト倫理とヘルスケア

スーザン・シャーウィン著 岡田雅勝・服部健司・松岡悦子約

勁草書房

1998

第三章に妊娠中絶という項目有。中絶に対して、フェミニスト倫理に基づいて分析している。(塚原)

産む産まないを悩むとき-母体保護法時代のいのち・からだ

丸本百合子・山本勝美

岩波ブックレット246

1997

「優生保護法が母体保護法に改正されるまで」の歴史と、著者である産婦人科医丸本と心理カウンセラー山本の対談を収録。(塚原)

性と生殖に関する権利 リプロダクティヴ・ライツの推進

リード・ボーランド著、アニカ・ラーマン編、房野桂訳

明石書店

1997

女性の人権、リプロダクティヴ意思決定について、国際社会がいかに議論してきたかが学べる一冊。「日本における問題点」を10項目にわたって指摘している訳者房野桂の解説も秀逸。(塚原)

ある王女さまの物語(『世界の果てでダンス』所収)

アシュラ・K・ル・グイン

白水社

1997

アメリカの中絶非合法時代の中絶の決断について、『ゲド戦記』の作者でもあるル・グインが、ある王女の物語として寓話風に振り返る。王女と父親の会話がいい。(片山)

リプロダクティブ・ヘルス/ライツ からだと性、わたしを生きる 

ヤンソン柳沢由実子

国土社

1997

リプロダクティブ・ヘルス/ライツの定着を目指し、その概念の紹介と日本での問題を解説。海外での運動の流れについても紹介されている。(塚原)

生殖技術とジェンダー

江原由美子編

勁草書房

1996

加藤秀一と井上達夫の中絶をめぐる論争や「優生保護法をめぐる最近の動向」(母体保護法への改訂の経緯)が収録されている。(長沖)

妊娠小説

斎藤美奈子

筑摩書房

1994

日本の近代・現代小説の中で、望まない妊娠・中絶が繰り返し取り上げられつつも、手ごろなネタとして消費されてきたことを批判的に検証している。

主婦マリーがしたこと

フランシス・スピネル著 福井美津子監訳

世界文化社

1992

フランスで中絶が合法化されるわずか20年前、堕胎のとがで拘留されていた女性は500人以上いた。そんな女性たちの一人、マリー=ルイーズの日常と初経に至った不条理を描いている。映画版もあり。(塚原)

「母性」を解読する

グル―プ「母性」解読講座編

ゆうひかく選書

1991

82優生保護法改悪阻止連絡会が主催した連続講座の記録。#もっと安全な中絶をプロジェクトメンバーも執筆しています。

沈黙をやぶった女たち 映画「中絶―北と南の女たち」をめぐって

「女の人権と性」シンポジウム有志篇

ミネルヴァ書房

1988

ドキュメンタリー映画「中絶――北と南の女たち」の上映会で得られた、総計1000枚に近いアンケートにつづられた、当事者の中絶に対する切実な思いや考えを一冊にまとめた本。#もっと安全な中絶をプロジェクトメンバーも関わってます。(塚原)

中絶 女たちからのメッセージ

女のためのクリニック準備会

女のためのクリニック準備会

1985

体験談や基本情報などあれこれ(岩崎)

悲しいけれど必要なこと:中絶の体験

M・ディーンズ、加地永都子訳

晶文社

1984

北アメリカの中絶を体験した女性たちのノンフィクション。内容とともに、題名も秀逸だと思う。(大橋)

シリーズ・いまを生きる9 女・妊娠中絶

​?

ユック舎

1984

論考、手記、インタビュー、対談、ブック・ガイドなど。(塚原)

女の性と中絶 優生保護法の背景

社会評論社編集部編

社会評論社

1983

産む産まないの選択をめぐる女性の権利のみならず、人間の最も基本的な生活における人権という視点から、優生保護法の問題を取り上げた解説本。(塚原)

なみだの選択 ドキュメント優生保護法

谷合規子

潮出版社

1983

優生保護法改「正」案をめぐる論議や、当事者たちのレポート。(塚原)

あごら28号 産む 産まない 産めない 優生保護法と優生思想を考える

あごら編

BOC出版局

1983

優生保護法と内なる優生思想を考えさせる一冊。(塚原)

中絶禁止への反問 悲しみをさばけますか

(社)日本家族計画連盟

人間の科学社

1983

優生保護法「改正」反対の立場から、この問題を世に問うための本。運動のさなかで、手記、座談会、現場からのレポート(専門分野からの証言)、資料など、貴重な本です。(塚原)

侍女の物語(斎藤英治訳)

マーガレット・アトウッド

早川書房

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言わずと知れた一冊。

「肉」『あまたの星、宝冠のごとく』収録

ジェイムズ・ティプトリー・ジュニア著
伊藤典夫、小野田和子訳

ハヤカワ文庫SF

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エトセトラt島さんからおススメしてもらった一冊。ジェイムズ・ティプトリー・ジュニアがこんなにおもしろいって知ってました?(かんな)

請願(鴻巣由紀子訳)

マーガレット・アトウッド

早川書房

?

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V・Iウォーショースキーシリーズ

サラ・バレツキー

?

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twitterで教えてもらったもの。人気シリーズなので、結構巻数が多いです。主人公の友人が中絶をやっている医師なので、病院に反対派のデモが押し寄せる描写もあり。(かんな)

殺人出産

村田紗耶香

講談社文庫

?

10人出産すると、1人殺せるという「産み人」システムで国家を維持するディストピア
を描いた一冊。設定は突飛に思えながらも、国家による生殖管理のグロテスクさを描いており秀逸。(かんな)

バルーン・タウンの殺人

松尾由美

創元推理文庫

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妊婦だけが暮らす街、バルーンタウンで起こる様々な事件を解決する妊婦探偵のミステリ小説。トリックが妊婦や経産婦にしかわからない色々(亀腹とかまだ言うのかな?)なのがおもしろい。電子書籍もあり。(かんな)

消滅世界

村田紗耶香

河出書房新社

?

セックスではなく人工授精で子どもを産むことが定着した世界で、「清潔な」結婚生活を送り、アニメや漫画のキャラクターと恋愛を重ねる主人公・雨音。生殖が完全に自分の身体から離れたら、果たして楽になれるんだろうか。私見ですが、文庫版を買うと解説が斎藤環で余計なことしか書いてないので、文庫を買った場合には解説を読まずに読書を終えてください。(かんな)

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