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資料・文献

植物と帝国 抹殺された中絶薬とジェンダー

ロンダ・シービンガー著 小川眞理子+弓削尚子訳

2007

エキゾチックな中絶薬となる植物はヨーロッパにもたらされたが、中絶薬についての知識はことごとく抹殺された。ときはまさに重症主義の下、植民地でも本国でも、女は多産であることが望まれていた。

トラウマとジェンダー 臨床からの声

宮地尚子編

2004

日本語で書かれた中絶のトラウマに関する貴重な論考:カウンセラー嶺輝子の「中絶のトラウマ・ケア」所収。

妊娠中絶の生命倫理 哲学者たちは何を議論したか

江口聡訳編

2001

バイオエシックスで最初に中絶を取り上げた哲学者ジュディス・ジャーヴィス・トムソンの「中絶の権利」と、スーザン・シャーウィンの「フェミニスト倫理学のレンズを通して見た妊娠中絶」はフェミ的示唆が満載ですが、それ以外は非フェミ。

性の歴史学 公娼制度・堕胎罪体制から 売春防止法・優生保護法体制へ

藤目ゆき

1999

国の生殖統制に関する歴史学者の史料。堕胎罪や優生保護法成立の経緯が詳しい。

ライフズ・ドミニオン 中絶と尊厳死 そして 個人の自由

ロナルド・ドゥオーキン著 水谷英夫・小島妙子訳

1998

「二人のベテラン弁護士が共同訳をしたのは、本書のテーマが、妊娠中絶及び尊厳死という人間の声明に直接かかわるものであるだけでなく、本書においてドゥオーキンが、生命倫理についてのきわめて具体的解決案を提示しているので…法実務家の機微に触れたのでしょう」……と、解説に変えての鼎談で説明されています。フェミ観点は皆無ですが、結論は似たところにたどり着いています。

中絶 生命をどう考えるのか

ロジャー・ローゼンブラット著 くぼたのぞみ訳

1996

「生まれる権利」か「産まない権利」か――中絶は殺人か、法規制は人権侵害か。アメリカの第一線ジャーナリストが、4000年にわたる中絶の歴史をたどりながら、この論争の矛盾点をあらわにし、多くの人々の花の声を丹念に聞き取り、解決への糸口を探る。

女の皮膚の下 十八世紀のある医師とその患者たち【新版】

バーバラ・ドゥーデン著 井上茂子訳

1994

250年前の患者の記録を通して、我々の身体観を問い直す。「身体論の古典」と帯にありますが、基本、女性の妊娠にまつわる話です。

胎児へのまなざし 生命イデオロギーを読み解く

バーバラ・ドゥーデン著 田村雲供訳

1993

いつ、どのようにして”胎児”は”生命”として絶対的、普遍的価値を与えられるに至ったのか。18世紀の女たちの身体感覚から現代の女性たちの妊娠経験との断絶を歴史的に解明。

女の体の歴史

エドワード・ショーター著、池上千寿子・太田英樹訳

1992

11章中、中絶に割かれているのは1章のみだが、塚原が中絶の技術の問題に気づかせられた重要書。

初代教会と中絶

マイケル・J・ゴーマン著 平野あい子訳

1990

2000年前の人々がいかに中絶について深い思索をしていたのか、現代人に問いかける神学の書。

文化としての妊娠中絶

マルコム・ポッツ、ピーター・ディゴリイ、ジョン・ピール著
池上千寿子・根岸悦子訳

1985

原著のタイトルは"Abortion"で1977年刊行。この時点での全世界の中絶に関するあらゆる資料が集大成されています。著者たちはアメリカ人で、ロウ判決後の「プロライフ」と「プロチョイス」の確執をどうにかしたいという思いで「事実」を集めた画期的な大著です。

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